VASI(空港の着陸誘導灯)

VASIはランウェイに接近してくる時に目視できる誘導システムのこと。これらのライトは日中、5マイルまで見える。進入経路より高度が高いか低いかを知ることが出来る。

2列のVASI
近い列と遠い列に分かれている。
進入経路よりも低い場合は両方赤になり、進入経路に沿っている場合遠い列のみが赤になり、進入経路より高い場合は両方白になる。

3色のVASI
進入経路より低い場合赤になり、進入経路に沿っている場合は緑になり、進入経路より高い場合土壌色になる。

点滅式のVASI
進入経路より低い場合赤色か赤の点滅、進入経路より高い場合白か白の点滅になる。

PAPIシステム
4つの電気が一列に並んでいて、高い場合は全て白に、少し高い場合3つ白1つ赤に、進入経路に沿っている場合2つ赤2つ白に、少し低い場合3つ赤1つ白に、低い場合は4つ赤になる。

場周判断と着陸判断(Segmented Circle)

管制塔によってコントロールされていない空港に着陸する際、一般的にはSegmented Circle システムを見て正しい飛行経路を知ることが出来る。

Segmented Circleは空中及び地上ですぐに見える位置にある。


円周から飛び出た線は場周経路の方向を示している。

どの場周経路を利用するかはSegmented Circleの中にあるWingsock、Wind Tee 、Tetrahedronによって判断する。

これらの風向指示器は夜間、光で照らされなければならない。

次の図の場合を考える。



Tetrahedronが220度の方向を向いているため、RW22を利用するのが最も風向面では良いが、RW22は閉鎖中なのでその次に風向面で良いと判断されるRW18を利用する。

また、場周経路は場周経路の風下経路の真ん中に45度の角度で進入してくることが推奨されている。



管制塔が無い、または機能していない空港へ着陸する場合、パイロットは地上の場周指示器を見て着陸する。VFRを利用した夜間の着陸も昼間と同様に行う。

また、管制塔によってコントロールされていない空港からの離陸は、FAAがその空港に定めた場周経路で行わなければならない。




編隊飛行と落下物

他の機体に接近して衝突の危険性を作るのは禁止されている。もし、編隊飛行をする場合は、前もって機長同士で計画を立てる必要がある。どのような場合でも、編隊飛行中は雇われて乗客を乗せることはしてはならない。

機長は飛行中に機体から物を落下させることを許可してはならない。ただし、十分な注意喚起を行い、人や財産を傷つけないようにすれば落下させても良い。

シートベルト(Seatbelts)の着用

クルーメンバーは業務に関わっているかに関わりなくフライト中は全て席に着いている間はシートベルトをしなければならない。さらにもし肩掛けベルトがある場合は、離着陸時はそれもしなければならない。

離陸前に機長は搭乗者全員にシートベルトの使い方を知らせなければならない。さらに、タキシング、離陸時、着陸時はシートベルトをしなければならないことを伝えなければならない。2歳に満たない子供は席に着いている大人が抱き抱えても良い。

飛行前にすべきこと(Preflight Action)

フライトが始まる前に、機長はフライトに関する全ての入手可能な情報に精通しておく必要がある。

1、ランウェイの長さ
2、使用する空港の離着陸情報

そして、フライトが離陸した空港の近くだけで治らない場合、

1、天気報告と予報
2、燃料の必要量
3、フライトが計画通りにいかなかった場合の代わりの対策

も考えなければならない。

燃料の必要量は、昼は最低でも30分、夜は最低でも45分、追加で飛ぶための量をいれておく。

機長の責任と権限(Responsibility and Authority of the Pilot-in-command)

機長は機体の全責任を負い、安全と操縦の最終的な権限を持つ。
緊急時、法律から外れたことを行う場合、要求があれば行政にそのことに関するレポートを書かなければならない。

住所変更の申請(Change of Adress)

引越しをしたらFAAに引越しをしてから30日以内に申請しなければならない。

グライダー曳航機のパイロット(Glider Towing)

プライベートパイロットは、曳航機と同じCategory、Class、Typeで100時間以上のフライトまたは合計で200時間以上のフライトをしたことがなければ曳航機のパイロットをしてはならない。

また、24ヶ月以内に曳航機のパイロットを最低でも3回実際にまたはシュミュレータで経験をしなければならない。その際は、資格のあるパイロットまたは曳航機での機長経験が3回以上ある者からの指導を受ける必要がある。

パイロットに要求される認可(Required Certification)

機長として飛ぶ場合、現在のパイロットライセンス、写真付きID、現在の医療認可を所有して機内で直ぐに出せるようにしていなければならない。


ただし、グライダーと飛行船は医療認可は必要ない。

娯楽としてのパイロットは機長として飛ぶ際、現在のログブックの裏書を離陸した空港から50海里以内の範囲では所有していなければならない。

また、パイロットライセンスと医療認可はFAA、NTSB、アメリカ合衆国、法律関係の組織から提示を要求された場合提示しなければならない。

医療面での認可(第1種、第2種、第3種)

<アメリカの場合>

訓練生、娯楽として楽しんでいる人、プライベートパイロットはグライダーとバルーンパイロットを除いて第3種医療認可が必要だ。

第3種医療認可は次の場合有効期限が切れる。

1、試験を受ける日やその前に40歳に達していない場合、試験日から60ヶ月後の月末

2、試験を受ける日やその前に40歳に達している場合、試験日から24ヶ月後の月末

第2種医療認可は商業パイロットに課せられていて、12ヶ月間適応される。
ただし、40歳に達しているプライベートパイロットの場合追加で12ヶ月、40歳に達していないプライベートパイロットの場合追加で24ヶ月有効になる。

第1種医療認可は定期運航パイロットに課せられていて40歳に達している場合6ヶ月、40歳に達していない場合12ヶ月有効。
商業パイロットで40歳に達している場合追加期間は無し、40歳に達していない場合は追加で6ヶ月有効。
プライベートパイロットで40歳に達している場合追加期間は12ヶ月、40歳に達していない場合は追加で48ヶ月有効。


例)今年の10/21に第1種医療認可を受けた23歳のプライベートパイロットは、いつ医療認可の期限が切れるか。

12+48=60ヶ月=5年

より、

5年後の10/31まで

となる。


自家用操縦士の割り勘制度

自家用操縦士は燃料代、空港での出費、レンタル代のみを搭乗者とともに分割して払うことができて、等分した額よりも少なく払ってはいけない。

ただし、そのフライト基金がチャリティー組織のために作られたものであればこれには当てはまらない。

航空機の夜間の定義

夜間は、夕方の薄明の終わりから朝方の薄明の始まりのことを言う。

薄明(civil twillight)とは、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の空が薄明るい状態のことをいう。


大気中のチリによって太陽光が発射されて明るくなる。

曳航索の強度(strength of a towline)

曳航索の強度は最低でも機体の総重量の8割をみたしていなければならない。
また、安全面を考慮して機体の総重量の2倍以上の強度を持っているべきである。また、強度は曳航機側とグライダー側の索の両端において満たしていなければならない。

飛行前点検(Preflight Inspection Produres)

飛行前点検は飛行機が安全に飛ぶ上で必要なので、システム化された方法で行うべきだ。最低でも毎回フライト前に機体の周りを歩いて確認するべき。

長い期間保管されていた機体は、特に動物、虫などによる損傷が無いかを確認すべきだ。


飛行機が安全に飛べる状態かどうかを判断するのは機長が行い、飛行機が安全に飛ぶ状態を維持するのは航空機の所有者または運航責任者が行う。

後方乱気流(wake turbulence)

後方乱気流(wake turbulence)には2種類ある。

1.プロペラやジェットエンジンによる空気の流れ

地上で、大きな飛行機の後ろに、軽い飛行機がいて、その両方がエンジンをタキシングさせていたり稼働させている場合、危険。
プロペラやジェットエンジンによる乱気流はすぐに消える。

2.翼端渦(wing tip vortices)

翼の上面の圧力が低く、下面の圧力が高くなると、圧力が高い所から低い所へ空気が流れるため翼端では外側→上面という流れが出来る。
渦は消えずに両翼端の後ろへ続いていく。


渦は1秒あたり約12m〜15m(400〜500ft)沈下して、約27m(900ft)沈下した所で水平になる。


渦の強さは機体が重く、機体表面が綺麗で、飛行速度が遅いほど強くなる。(手で渦を作る時をイメージすると良い)

着陸時、翼端渦は沈下して地面にそって存在する。そのため、この渦を避けるために前の機体の飛行経路よりも上空を通過する。


地面効果(ground effect)

地面効果は翼の幅かそれ以下の高度を飛んでいる時に起こる。



翼と翼端の周りの空気の流れが決まり、吹き下ろす風が減少し後ろへ引っ張られる力が減少する。

そのせいで、推奨される離陸速度に達する前に浮上し、着陸の間浮かんでいられる。

離陸する際、地面効果がなくなり揚力が足りなくなるため、向かい角を大きくしなければならない。そうすると、後ろへの抵抗が増加するため推進力も増加させる。

フラップ(下げ翼)

フラップ(下げ翼)には機体を上反りにさせ向かい角を大きくする働きがある。



揚力が大きくなるが、後ろへの抵抗が大きくなる。

この後ろへの抵抗のおかげで、着陸の際に速度を増すことなく滑らかに着陸することが出来る。

風が吹いている時の操縦(Maneuvers)

偏流を取る


風が吹いている時にまっすぐ進むには風上側に機体を少し向ける


長方形のコース




風上側では出来るだけ風上側に伸ばし、風下側では早めに旋回して風下側に行かないようにする。

一点の周りを飛ぶ



旋回の単元でも書いたように、風下側でバンクを大きくする

S字ターン



風上側へ飛んでいるとする。
はじめは非常に浅くバンクをつけて、横風が強くになるにつれてバンク角をつけていき、風下側ではバンクを大きくする。


グライダーマニュアル一覧

このサイトはTest Prepに沿っています。

第1章

•向かい角とは
•飛行機が飛ぶ原理(ベルヌーイの定理)
•旋回の仕組み
•フラップ(下げ翼)
•風が吹いている時の操縦
•地面効果
•後方乱気流


第2章

•飛行前点検
•曳航索の強度

第3章

静圧、動圧と高度計、バリオ、速度計の関係
•速度の種類と速度計

第4章
•夜間の定義
•自家用操縦士の割り勘制度
航空機のライセンスの種類と海外ライセンスの書き換え
•医療面での認可
•最近の飛行経歴
グライダー曳航機のパイロット
引越しをしたら
機長の責任と権限
•飛行前にすべきこと
•シートベルトの着用

第5章

場周判断と着陸判断


旋回の仕組み

グライダーが旋回する時、バンク角が大きいとほど重さ成分は増加します。

そして重さ成分が増加すると、より早い速度で失速するようになります。



グライダーは揚力の水平成分でまわることが出来ます。

また、風が吹いている時、ある一点の周りを旋転するには風下側を飛んでいる時バンク角を大きくします。


空を飛ぶ原理(ベルヌーイの定理)

グライダーは翼から揚力を受けて飛びます。

翼の上の圧力が低く、下の圧力が高いと上向きの力がかかります。



翼の上を流れる風のスピードが早く、翼の下を流れる風のスピードが遅いためベルヌーイの定理(Bernoulli's principle)で圧力差が生じます。

この圧力差で上向きの揚力が働きます。

向かい角とは?(angle of attack)

グライダーにおいて向かい風(relative wind)と翼弦線(chord line)の角度のことを向かい角(angle of attack)といいます。




向かい角が大きいと速度が遅くなり、向かい角が小さいと速度が早くなります。